1884(明治17)年10月、横浜山手の地に創立された「横浜バプテスト神学校」を第一の源流とする関東学院は、本年140周年を迎えます。10月12日、関東学院大学 横浜・金沢八景キャンパスのベンネットホールで学院創立記念式典を執り行い、第二部では140周年を記念して記念講演、学院ミニコンサートを開催しました。
第一部は、伊藤多香子学院宗教主任の司式のもとキリスト教の礼拝形式により進行され、讃美歌、聖書朗読、祈祷に続き、松田和憲学院長が「約束されたものを仰ぎ見つつ」というテーマでお話しをされました。松田学院長は、「聖書:ヘブライ人への手紙11章」より「信仰の父」と呼ばれたアブラハムの生き方を取り上げ、「関東学院の諸先生方が苦難の中、学院として取るべき大切な道を選択され「中学関東学院」として創立されたことは、アブラハムと同じく「冒険する心」を持ち「行く先を知らずに」出ていかれたからだと信じています。私たちも150周年に向けて、揺れ動く社会の目まぐるしい変化に動じることなく、また目先の損得に囚われずに、学院としての揺るがない一本筋の通った教育理念、建学の精神に立ち続ける必要性を強く感じています。」とメッセージを送りました。 また規矩大義理事長が式辞として「情熱と信念をもって作られた関東学院、その長い歴史の中で「人になれ 奉仕せよ」の校訓にとどまらず、先達によって守られ継承されたものがたくさんあります。その一方で地域社会から信頼され、この地になくてはならない学校として140周年の歴史を積み重ねるために、時代の変化にあわせて、よりよい教育を目指して進化してきたからこその今があると思います。これまでの140年を振り返ることも大切にしながら、これからの自分という視点を通して学院を想い、学院の未来に向けての努力を誓う場としてこの記念礼拝・記念式典があると思っています。」とご挨拶されました。
第二部では、立教学院院長・立教大学総長でキリスト教学校教育同盟理事長の西原廉太氏による記念講演が行われました。講演のテーマは「キリスト教学校として大切にしているもの、大切にすべきこと」。西原氏はまず関東学院140年の歩みとして、関東学院のルーツや歴史、創設者や「建学の精神」について解説し、「関東学院の校訓である「人になれ 奉仕せよ(その土台はイエス・キリスト也)」はすべてのキリスト教学校が大切にすべきキリスト教教育の根幹であります」と話し、多くのキリスト教学校の建学の精神に共通する二つのポイント「真理を探究すること」、「この世界・社会・隣人のために奉仕すること」についてお話されました。続いて、西原氏の専門であるアングリカニズムの観点からキリスト教学校のミッションについて紐解き、アングリカニズムの特徴を表現したVIA MEDIAの「聖書・伝統・理性」という3つの道標についてや、12・13世紀に登場した大学の起源における文理融合といった興味深い内容とともに、キリスト教学校は過去の伝統を尊重しつつそれぞれの時代の状況に合わせて解釈し続けることが大切なのではないか、と述べられました。最後に、キリスト教学校のルーツや3つの道標の一つである「聖書」を読むことについても触れられ、「多様な一人ひとりの存在を大切にすることこそがキリスト教学校の使命である」というメッセージで講演を締めくくりました。
続く学院ミニコンサートでは関東学院六浦中学校・高等学校ダンス部と関東学院中学校高等学校ダンス(HULA)部がパフォーマンスを披露しました。関東学院六浦中学校・高等学校ダンス部はチアで元気なパワーを届け、関東学院中学校高等学校はハワイの伝統舞踊フラを優雅に踊るなど、両校ともそれぞれが特徴あるパフォーマンスで会場を盛り上げました。
最後はゴスペルシンガーのMARISAさんとゴスペルキーボディストの山本裕太さんによるスペシャルステージ。山本裕太さんが奏でるピアノにあわせて、MARISAさんのパワフルな歌声が会場いっぱいに響くと、会場内の雰囲気も最高潮に達し、参加者も手拍子を打ちながらコンサートを楽しんでいました。スペシャルステージは「My Desire」「Precious Lord take my hand」「夜も昼も」「Colors of life」「Oh Happy Day」の全5曲。最後の「Oh Happy Day」ではMARISAさんの歌声に合わせて参加者も一緒にゴスペルを口ずさみ、にぎやかな雰囲気に包まれながらコンサートは幕を閉じました。
記念講演やコンサートといった特別な催しで、学院創立140周年を華やかに祝う式典となりました。
当日の学院長メッセージ(全文)はこちらからご覧いただけます。