関東学院 未来ビジョン
関東学院中学校高等学校 校長 冨山隆
オンライン英会話
ICTおよびオンライン学習の可能性を広げた一年
2020年度は新型コロナウイルスの影響による休校などにより、学習環境の整備が喫緊の課題となりました。本校ではICT整備の一環として、2019年度から教員にタブレットの配備を行い、その素地を整えていたところに、新型コロナウイルスの感染拡大という昨今の状況を背景にしてICTへの取り組みを一気に高めました。
具体的には、Google社の提供する「G suite for Education」のアカウントを全生徒、全教員に配付し、ホームルームや在宅用の課題のやり取りを「Classroom」を用いて行いました。
教科学習以外においても、礼拝や講演会をオンラインにて実施しました。各自の教室で視聴する生徒たちは、予想以上に集中しており、オンラインによる実施の可能性を確信しました。もちろん対面には直接話し合えるなどの良さがあります。生徒にとって対面コミュニケーションは言うまでもなく重要ですので、オンラインと対面のメリットを見極めてバランスよく活用するための研究を引き続き進めます。
より「英語らしい英語」を目指して
本校では学校行事としてGTEC受験と英検受験に取り組んでいます。前者は英語力の健康診断的役割を果たしており、後者は検定の合格というハードルが生徒の英語学習のモチベーション向上につながっています。2019年度秋には900名が英検を受験し、これまでに20名超の生徒が準1級を取得するなど好ましい成果が出ています。
本校の英語教育においては、いかに「『英語らしい英語』を身に付けるか」ということを心掛けています。具体的な取り組みとして、英文の構成力向上については「Four Square Writing」という新しい学習法を取り入れ、発声面についてはベルリッツの授業やオンライン授業を活用しています。
2021年度大学入試の傾向にもみられるように、今後はさらに英語の4技能が重視されていきます。偏差値で示される大学受験対策にも注力するとともに、生徒たちが言語の壁にとらわれず自由に自分の考えを発信していける、芯となる力を育てていきます。
ベルリッツの授業
“進取の気性”で「人間」を育てる
2021年度の計画として、ICTに関しては、中学1年生から1人1台の端末を順次持つようにします。端末導入に合わせ、新たな学びに向けた教員のスキルアップやICT環境の増強に努めていきます。
英語に関しては、提携校のあるフィリピンや研修旅行の訪問先である韓国や台湾の学校と協働し、生徒同士がオンラインで交流する探究型学習を計画しています。海外渡航に制限のある中で、双方向コミュニケーションをスムーズに実現するため、オンラインのメリットを充分に活用していきます。
今や、ICTも英語もツールとして使いこなす時代となりました。今後は、主体的にツールの可能性を探して自らの学びに活かすことができるような生徒を育てることが重要と考えています。幸いにして本校の生徒はチャレンジングな気風を代々受け継いでいます。学校全体としても引き続き”進取の気性”を大切にし、「人間」を育てる学校であり続けたいと思っています。