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関東学院のびのびのば園 園長 井上恵子

関東学院 のびのびのば園

地域に貢献できるこども園をめざして

本園の礎はキリストの教えにあり、学院全体の校訓として「人になれ 奉仕せよ」を掲げています。野庭地区にあるこども園として地域に奉仕できることは何かと考えたとき、それは地域全体の子どもたちにとっての温かな居場所となることではないかという結論にいたりました。共働きの家庭も増えたこともあり、学校と家庭の間をつなぐ居場所を子どもたちに提供できればと考えたのです。
その思いから始まった「のびのびの場」も3年目を迎えました。これは園の閑散期間を活用したレクリエーションの会で、本園の子どもや地元の子どもたちが入り混じって楽しく食事やゲームをするものです。2019年度は関東学院大学の栄養学部学生の助けも得て、子どもたちは流しそうめんを楽しみました。参加する子どもたちの数も「のびのびの場」を立ち上げた当初は20名程度でしたが、今では倍の40名以上です。
「のびのびの場」以外の地域の取り組みもすこしずつ浸透し始め、2019年度はテレビで紹介されました。今後も活動を充実させ、ひとりでも多くの子どもたちの居場所となれるよう地域に根ざしたこども園でありたいと考えています。その観点から、障がいのある子どもたちの受け入れというテーマも大切にしています。本園が目の行き届いた安全な空間を提供することで、いつもは行政などの個別対応を受けている子どもたちも、ほかの子どもたちと自然な交流を持てたらと考えを練っているところです。「大勢の子どもたちがいてこそ地域の良さだよね」というところを、こののびのびのば園から発信していけたらいいなと思います。

地域の協力も得て、保護者のバイブルクラスもさらに充実

本園では保護者の方に向けてのバイブルクラスも大切にしています。バイブルクラスとは、近隣の牧師先生や伝道師の先生がこども園までいらして聖書のお話をしてくださる会の事です。私はバイブルクラスについて、人間性の基礎がつくられる幼児期に子どもたちが聖書の考えと出会ったり、また大人である私たちが日常的に生きていく中で聖書と関わることで、どれだけ豊かな人生の基が築かれるかということを理解していただくためのとても大事な時間だと考えています。
先生方のお話は、聖書の事をまったく知らない人でも楽しく分かりやすくと工夫していただいているため、バイブルクラスの参加者は年々増えてきています。最初の頃は5~6人でしたが、今では12~13人ぐらいと倍の人数の方に来ていただいており、毎回新規の方が半分ぐらいを占めています。
2019年度は、地域の教会のご協力もあってバイブルクラスの回数を増やすことができ、またお話の内容についても、本園と教会とで相談し、数回に渡って内容が続くようなシリーズものにテーマを設定しました。参加者から特に好評だったのは「取扱説明書シリーズ」というもので「子どもや自分、家族に向き合う時に、分かりやすい説明書のような存在として聖書がある」というお話です。今は「子どもの安らぎについて」というシリーズで進めています。お話を聞かれた方には、なにかしら伝わるところがあるのではと思っています。2020年度以降もバイブルクラスの取り組みはぜひ広げていきたいと思っています。
地域の協力も得て、保護者のバイブルクラスもさらに充実
保護者のバイブルクラス

保育研修にも客観性のある学びを取り入れた1年

保育研修にも客観性のある学びを取り入れた1年
保育研修
良質な保育を提供するため、日々取り組んでいる職員の学びについても2019年度は大きな成果がありました。具体的には、お互いに保育研修をしたり、自分たちの保育を内省したり、チームワークをどう作っていくかを話し合うことで、ここの園ならではの強みの掘り下げができたなど、いろいろ得るものの多い1年だったと思います。
特に2018年度からは客観性のある学びを目的として外部コンサルタントに入っていただいており、今後の学びの方向性について新たに視野を広げることができました。
コンサルタント導入の効果としては、これまでは見えにくかった課題がきちんと見えるようになってきたという事があると思います。従来を安定した状態と捉えるなら、ある意味「揺れが生じてきた」とも言えますが、いまはそこから脱皮して、次の段階に成長していくためにあるべき道を通っている時期だと考えています。
発見できた課題は、いますぐに解決できるものばかりではないとしても、課題が出てきたこと自体が前に進んでいるということだと感じています。課題発見により、職員の間には良い緊張感が生まれ、主体的に物事を改善していこうという前向きな動きが生まれました。2019年度末にはその集大成として、有志による保育研究発表を行い、学びの分かち合いを行いました。
職員一人ひとりの役割を明らかにし、お互いの働きを共有していこうというポイントは2019年度見えてきたことでもあり、2020年度につなげたいテーマです。そこから園全体の保育力のさらなる強化につなげていきたいと考えています。

活発な動きが生まれた一年

2019年度を振り返ると「活発な動きが生まれた一年」と言えると思います。先ほどご紹介したような、職員研究による学びもそのひとつですが、ハード面ではICTの取り組みが飛躍的に進んだことが挙げられます。具体的にはコミュニケーション用アプリが導入され、保護者の方が出欠のご連絡をされるときも電話ではなく連絡アプリを使えるようになりました。ICTの導入により学校事務の業務効率は大幅にアップし、職員はさらに保育に力を注げるようになった点も嬉しい成果です。2020年度以降はアプリをさらに活用し、園で過ごす子どもたちのようすを動画に撮って保護者の方と共有したり、バイブルクラスの内容を発信していくといった計画も検討しています。
保護者との関わりとして、2019年度は10名ほどのお父さん方が園庭に大きな砂場を作ってくださいました。丸太選びから砂入れまで手作りで作られた砂場は子どもたちに大人気です。
また2019年度は保護者対象の学院バスツアーを実施することもできました。これはバス一台を貸し切って関東学院の両小学校、中学校、高等学校を巡るもので、六浦小学校でのランチタイムも好評でした。参加者の方々には、このツアーを通じて学院の全体像と本園の位置づけについての理解を深めていただけたのではないでしょうか。
いま本園は、大学まで擁する総合学園である関東学院のこども園であるとともに地域に根ざすこども園として、重層的な役割を期待されています。その中で、これからも私たちはキリスト教保育や関東学院としての知見といった本園ならではの特長を活かし、地域と教育に貢献を続けていきたいと考えています。
活発な動きが生まれた一年
砂場で遊ぶ子どもたち