関東学院学報 No.40
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KANTO GAKUIN NEWS No.40 17関東学院各校NEWS[Junior and Senior High Schools]Two-night / three-day field tripOur junior high school students went on a two-night/three-day field trip in the first week of June, in fine weather. The first-year students went to Amagi-sanso to learn about “ERABI,” (God’s selection), the second-year students went to Nara and Osaka to learn about “human rights”, and the third-year students traveled to Hiroshima and Nagasaki to ponder “love to the others”.As this was the first field trip for the first-year students, a special program called the “KG hike” was included. In the KG hike, students walked in groups from Kawazu-nanadaru to Amagi-sanso, about a 16 km-long course, while helping each other. They enjoyed the walk and sometimes encouraged each other along the way, and most of the students successfully completed the hike.月の第一週、天候にも恵まれ、一年生は「選び」を学びに天城山荘へ、二年生は「人権」を学びに奈良・大阪へ、三年生は「愛」〜他者を考え、広島・長崎へ、それぞれのテーマを掲げ、二泊三日の校外学習を実施しました。特に、一年生は今回初めての試みとして、河津七滝から天城山荘までグループで協力し、助け合いながら歩き切るその名も「KGハイク」を実施しました。約十六キロの道のりを仲間と楽しく、励ましあいながら、歩き貫きました。 各学年の生徒の感想を紹介します。天城修養会を終えて!一年 小坂井 瑛菜 「行ってきまぁす」私はそう言って家を出ました。いつも通り学校に着き、バスに乗って出発しました。 山荘について、まず始めに開会礼拝をしました。校長先生の「器」を使ったお話を聞いて私は、人は粘土と同じようにあまり頑丈にできていないけど、その分落ち込んだり、傷ついたりしてもすぐに立ち直れるということが分かりました。その後、関東学院について教えてもらいました。坂田先生のことなど知らなかったことをたくさん教えてもらいました。夜のキャンドルライトサービスでは、讃美歌をたくさん歌ってもらいました。お話を聞いて、人は一人ひとり神様に愛されていることをあらためて考えることができました。 二日目は、一番楽しみにしていたKGハイクでした。十六キロという長いハイキングをしたことはなかったので不安も少しありました。でも、班のみん中学校高等学校中学教頭 鍬塚 浩一六二泊三日校外学習なで協力しながら歩いていたら最後までだれもリタイヤせずにゴールできました。順位は早い方ではありませんでしたが、班の全員でゴールできたことがとても嬉しかったです。 今回の修養会を通して友達との仲を深めることができましたし、キリスト教の生活についていろいろ学べた良い機会になりました。「人権について」二年 佐野 愛理 大阪人権博物館では人権についての様々な資料が展示されていました。一番関心があったのは公害についてで、その中でも特に関心を持ったのは「水俣病」についてです。 水俣病は、工場排水中のメチル水銀に汚染された魚などをたくさん食べることによって起こった中毒症です。水俣病が発見された当時は、政府・県がその責任を認めず、熊本県の人々はとても苦しみました。しかも県外に移り住んだ患者が抱える問題に、十分な医療が受けられないということがありました。それによって病気が治らず、さらに差別が進んで行きました。しかし、阪南中央病院ではこの水俣病患者の申し込みを受け入れ、日常の診療や定期的な健康診断も行ったのです。 そのような中でも診療を受けられない人々がいました。その人たちが、国や行政の責任を追及するために裁判を起こし、交渉を行っていきました。そして水俣病の被害の全体像を明らかにすること、すべての患者を救済することを要求していきました。 この研修旅行で、今まであまり考えていなかった人権について深く考えさせられました。とてもためになり、これからも差別をなくしていけたらいいなと思いました。長崎研修旅行〜他者を考える〜三年 佐藤 里夏 戦争は、とても多くの被害をもたらし、多くの被害者を出した。たった一つの原子爆弾により、長崎の約三分の一の人々が亡くなった。こんな大変なことが起こったのだ。 長崎の資料館では、事前学習の映像で見たものを実際に見て心が重くなった。女学生がもっていた、焼かれてしまったお弁当、原爆が落ちたときに階段に座っていた人の影、色が変化してしまったお金、そして顔や体が変形してしまっている写真。どれを見ても、一つの原爆がもたらした被害は本当に大きいことが分かった。 その中でも印象深かったのは、子どもの書いた文章だ。家族を亡くしてしまったまだ小さな子どもだ。その文章を読んでいると、その子どもたちがどれほど孤独で恐怖の中にいたのかが身にしみて分かった。 講話をして下さった安井さちこさんもそのうちの一人だと思った。講話の中に「友達が窒息している姿を見ても、何の感情もわいてこなかった。」と言っておられた。きっと当時そのように感情をなくした子どもはたくさんいたのだろうと思った。 原爆は人の体を痛め、建物や物を壊した。しかし、それ以上に原爆に傷つけられたものは人の心だと思います。資料館では展示できない、被害にあった人もあわなかった人も、一人ひとりの心にとても大きな傷を残したのが原爆なのだと思った。現在戦争を続けている地域もある。その地域が少しでも早く平和になれることを祈っている。そして恐ろしい原爆が二度と落とされないことを願っている。

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