関東学院学報 No.45
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6 KANTO GAKUIN NEWS No.45Keiko Miura祈りのホールに聖霊の光が降り注ぐ 今回ご依頼いただいた作品のテーマは「悦び」です。天からは聖霊が降り注ぎ、その象徴として鳩が舞い降り、そこには12の輝きがあります。ヨハネの黙示録にも出てくる命の木は、年に12回実を結ぶとあり、それを光の塊で表現したものです。園長の根津先生からのご依頼もあり園児を表す子羊と、イエス様を表す羊飼いを作品に加えています。聖霊が園児たちに降り注ぎイエス様に導かれる、それはまさに「悦び」だと思います。 良質なガラスも今回入手することでき、約1年間の制作期間を経ていよいよ完成に至ります。そのような中で私も制作していてとても楽しめた作品ですが、ぜひこの作品をご覧になった方が、何かを感じて作品と対話をしたり、楽しんでいただけたら素敵ですね。 ステンドグラスを透過した聖霊の光が、祈りを捧げる園児たちを温かく包んでくれることを願っています。Completion of the Stained Glass of Kanto Gakuin Mutsuura Kodomo-EnThe stained glass for Mutsuura Kodomo-En by Keiko Miura, a world-renowned glass artist, has been completed after about one year since she started the production in response to a request from Ms. Nezu, the principal of Mutsuura Kodomo-En. The theme is “joy.” On the stained glass, the Holy Spirit is descending from the heaven, a dove is coming down, and 12 lights are shining; and on the ground, the Good Shepherd, Jesus Christ and lambs, which represent our children are present. The stained glass will be placed in the Prayer Hall of the Mutsuura Kodomo-En and light through the stained glass will enwrap children warmly while they are praying.グラスアーティスト三浦啓子氏関東学院六浦こども園のシンボルとなるステンドグラス「悦び」を制作世界的なグラスアーティスト・三浦啓子氏が制作したステンドグラスが、六浦こども園の新しい園舎内「祈りのホール」に設置されます。作品テーマは「悦び」。この作品を制作中の2月某日、兵庫県のアトリエで三浦氏に制作にあたっての思いなど、お話しをお伺いしました。 現在、ステンドグラス作家協会の会長も務める三浦啓子さんがステンドグラスと出会ったのは、フランスの芸術家シャガールの作品を見た時でした。そこには表現したい「光」がありました。キリスト教徒でもある三浦氏は、かつて教会の祈りの最中に美しい光を感じ、それを表現したいと思うようになりました。渡米中にステンドグラスを学びました。帰国後、美の究極である「神」を表現するために本格的に独自の技法「ロクレール」を確立しました。ロクレールとは輝く光の岩を意味します。ガラスをハンマーでカットし、エポキシ樹脂を使って接着させて作る立体的な厚みのあるステンドグラスに仕上げます。その技法を用いて、今回、関東学院六浦こども園のステンドグラスは制作されました。 新園舎内の祈りのホールに設置されるこの作品は、優しい光の中で園児たちの笑顔を輝かせていくことでしょう。Profile1956年 同志社女子大学卒業1968年 渡米、ハーバードアートスクールにてLyn.C.Hovey氏にステンドグラスを師事1972年 「ロクレール」を確立 ダルグラスとエポキシ樹脂による独自の光表現を開発1992年 関西芸術大賞 受賞2004年 アメリカ シアトル・ポモナにて展覧会開催2008年 兵庫県文化功労章、神戸市文化賞 受賞2010年 兵庫県文化賞 受賞三浦啓子氏プロフィール神様の光を表現するために特別インタビュー/すべての「悦び」は園児のために三浦氏と根津園長先生三浦氏によるステンドグラス「悦び」の原画

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