関東学院学報 No.45
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Mamiko YadaKANTO GAKUIN NEWS No.45 1新たなフィールドへ/特別インタビュー 看護学は人の尊厳を守り、人々の健康と福祉を実現していくための実践的な学問です。そして、看護は人々の生病老死に寄り添い、あらゆる年代の個人と家族、地域社会を対象に、健康の保持増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和を行い、その人らしく生をまっとうすることができるよう身体的・精神的・社会的に支援することを目的としています。 そうした看護を学ぶ場として2013年4月に新設される本学部は、大きな特長として地域との連携があげられます。 たとえば、病院実習は、金沢八景キャンパスに隣接する横浜南共済病院を始めとして近隣地区の病院で行い、その他にも横浜市地域ケアプラザや介護老人保健施設など地域に根差した実習先を用意しています。看護について医療分野だけでなく、福祉分野の地域ケアも学ぶことで、保健、医療、福祉の各分野で活躍できる専門看護職を育てることに重きをおいています。 なぜならば、日本は世界でも稀に見る高齢化社会が到来しており、今後はますます高齢者のケアが必要となるからです。そのため、病院という医療行為を行う場所で活躍する看護師としてだけでなく、高齢者の方が望むケア、つまり住み慣れたご自宅でのケアに携わることができることも求められるのです。今後は病院で実践能力を身につけた人が、地域の中でも活躍する時代になっていくでしょう。キャリアプランやライフプランを考えた時に、先ずは病院で実績を積んで、いずれは子育てをしながら地域でケア活動を行うという選択肢も出てきます。長い目で見て、地域ケアにも貢献できる人材をたくさん育てていきたいと考えています。人間力を磨き、卒業後も努力することが大切 看護の仕事は、人との触れ合いの中で喜びとやりがいを感じることのできる仕事であると同時に、数々の責務も伴います。ですから、新入生に先ず望むことは、本学部において学ぶことで、より高いレベルの自己実現を図ろうという明確な意思と情熱をもっておいてほしいということです。4年間のカリキュラムをこなすことは簡単ではなく、87単位もの専門科目が必修です。入学後は高い学習意欲を維持し続けるやる気と、修学に必要な基礎学力が求められます。ただし、勉強だけをしていればいいのではなくて、人間としてバランスがとれていることも大事です。クラブやサークル活動をやってもいいでしょう。勉強は疎かにせず、調和のとれた学生生活を送ってほしいと願っています。 また、4年間を通じて学生に身につ 関東学院大学では、社会に貢献しつつ、校訓「人になれ 奉仕せよ」を体現することのできる人材を育成するとともに、時代の要請に応えて、特色ある最先端の研究を推進し、共生社会の創造とその持続的発展に貢献することを使命(ミッション)としています。 開設される看護学部でも、この使命と建学の精神を踏まえて、豊かな人間性を備え、保健、医療、福祉の現場において適切な看護ケアを提供できる看護実践能力と、チーム医療における調整能力等を身につけ、人々の健康と福祉に貢献できる専門職者を養成します。地域との連携を重視した看護教育を目指す「人になれ 奉仕せよ」を具現化し、人と社会に奉仕する人材育成のために、2013年春、看護学部が新設されます看護学部長就任予定矢田眞美子看護学部2013年4月開設

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