関東学院学報 No.44
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18 KANTO GAKUIN NEWS No.44関東学院各校NEWS英語コミュニケーション力向上プロジェクト活動報告六浦中学校・高等学校教諭 鈴木 由美子校では、昨年度より「英語コミュニケーション力向上プロジェクト」が始動しています。 プロジェクトの主旨は本学院の校訓「人になれ 奉仕せよ」を社会に具現化する一つの方策とし、世界に通じるコミュニケーション力をつけ、関東学院で学んだ精神をその中で真摯に生かしていくことができる人材を育てることにあります。まだ発展途上のプロジェクトではありますが、これまでの活動についてご報告致します。①All K.G.M Vocabulary Contest(全校英単語コンテストの)実施 2011年9月に第1回、今年度4月に第2回 All K.G.M Vocabulary Contestを実施しました。この単語コンテストは英語コミュニケーション力向上を支える基礎を作り、英検4級レベルから大学受験に対応できる幅広い語彙力を養うことを目的としています。生徒には事前に1000語(4級レベルから大学受験レベルまで)の単語リストを渡し、その中から200題を出題しました。英語コミュニケー[Mutsuura Junior and Senior High Schools]English Communication Proficiency Improvement ProjectThe English Communication Proficiency Improvement Project has been ongoing since last year. This project, which is part of our effort to put the school motto into practice in social settings, aims to help students improve their communication skills so that they can apply philosophies learned at Kanto Gakuin in a practical manner. The project consists of five programs: 1)an “All K.G.M Vocabulary Contest”; 2) the encouragement of all students to take the EIKEN Test; 3) the employment of full-time native English speaking teachers; 4) an exchange activity with foreign students (exchange activities with students from Linfield College, University of Arkansas and other institutions with which Kanto Gakuin University has exchange agreements, are part of joint projects between Mutsuura Junior & Senior High School and Kanto Gakuin University) and 5) the participation in Kanto Gakuin’s English Communication Contest. We will organize more programs in collaboration with other institutions within Kanto Gakuin to provide students with further improved opportunities to communicate in English.本ション力向上を念頭におくため、単語コンテストといっても単語の意味が分かるものを問う問題だけではなく、音声を意識したリスニング問題、ディクテーション、また正しいスペリングを見分ける問題など多岐に渡る形式の問題にしました。また出題から採点まで大学と連携して実施することができたのもプロジェクトならではの試みです。2年生から6年生までの全生徒(約1000名)が一斉に同じ単語コンテストを受けるため、下級生が上級生の得点を上回るケースもあり、同学年間、また上下間でよい刺激となっています。第1回では1年生の希望者も参加しましたが、全体の上位60位以内に入る生徒もいました。 全学年および学年ごとの上位者は礼拝堂で表彰されます。さらに点数に応じてレベルを設定し(レベル1〜4)、そのレベルに到達した生徒はレベル認定バッジがもらえるなど、上級生だけではなく、下級生の励みになるような工夫もしています。②全校英検受験実施 英検は年に3回受験することができますが、本校では第1回、第2回を希望者受験、第3回を6年生を除く1年生から5年生までが受験することになりました。高校生は準2級以上、中学生は1年生が5級以上、2年生が4級以上、3年生が3級以上を受験することができます。昨年度は中学生で準2、2級を取得する生徒がでており、高校生で準1級を目指す生徒も増えてきました。また1次合格者全員に対して2次試験対策を行いました。その結果、2次を受験したほぼ全員が合格することができました。年々第1回、第2回の希望者受験数も増えており、更に早い段階での2級及び準1級の合格が見込まれます。英検は英語力を測る一つのバロメーターにもなるので、今後、より多くの生徒が高校卒業までに英検準1級、2級を取得できるようにしていきたいと考えています。③ネイティブ教員の常勤化 本プロジェクトを支える上で、生徒がいつでも英語を話せる(発信する)環境を作ろうと2名のネイティブ教員を専任としました。授業のみならず、本校の行事にも参加し、多くの生徒と交流の機会を増やしました。1・2年生の社会見学への引率、大学からの留学生との交流、コミュニケーションコンテストなどに出場する生徒への指導など多くの場で生徒と関わっています。今後、より生徒と交流できるような企画を検討しています。④留学生との交流 関東学院大学と提携しているリンフィールド大学やアーカンソー大学の留学生との交流も大学と連携したプロジェクトの一つです。ネイティブ教員と英語科の教員、大学の留学生担当者と協力をし、昨年度は「グループでのフリートーク」、「クラブ体験」、「もちつき大会」などを企画しました。生徒は部活動や共同作業を通して楽しく、伝えるための生きた英語に触れ、コミュニケーションをとることができました。⑤英語コミュニケーションコンテスト 昨年で第3回となったオール関東学院英語コミュニケーションコンテストでは本校より約40名の生徒が出場しました。「英語で伝える」ということに焦点をおき、中学生は自己紹介や社会見学で行った鎌倉について対話形式での発表、ショッピングショーといった、自分たちで考えたオリジナルの商品の紹介をしました。高校生ではスピーチやKGMニュースといったニュース番組のスタイルで学校紹介をし、「英語で伝える、コミュニケーションとしての英語」を大切に練習を重ね、発表をしました。第1回は恥ずかしがってなかなか出場したがらなかった生徒たちも、第3回になると自分から出場したい!という生徒が増えていきました。どの発表も英会話やOC(オーラルコミュニケーション)の授業での取り組みからでたものとなっています。このコンテストが英語で発信する場の一つとなり、授業でも真のコミュニケーションをとるための英語を学ぶことができるように工夫していきたいと考えています。 このプロジェクトが始動して1年あまりが経とうとしています。他に英語を発信する場としては、校内ミニ留学(中学生)、3週間のアメリカ短期研修(高校生)、オーストラリアへのターム留学(4・5年生)などがあります。さまざまな活動を行うなかで、課題も見えてきましたが、授業を中心とし、それぞれの取り組みがより充実した英語の発信の場となるよう、今後も学院と連携をしながら進めていきたいと考えています。

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