関東学院学報 No.44
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KANTO GAKUIN NEWS No.44 11Kazumi OkazakiMakito MorishimaKANTO GAKUIN NEWS No.44 11就任挨拶就任挨拶Kazumi OkazakiI have returned to Kanto Gakuin after a 33-year absence. Assuming the position of Principal during this important period when the 60th anniversary is marked and the construction of a new school building takes place, I feel the weight of my responsibility. With your support and encouragement, I am prepared to commit myself to the further development of Kanto Gakuin Primary School.Makito MorishimaKanto Gakuin has already started taking steps toward its 150th anniversary according to its newly established grand design. Each school of Kanto Gakuin has developed its medium-term goals and plans and the entire Kanto Gakuin institution is now working hard to accomplish these goals. The teaching staff of Mutsuura Primary School is also making concerted efforts to fulfill its missions.黄金町の駅から普門院の墓地をぬけ、三春台の丘をのぼっていく毎朝の生活が33年ぶりに復活しました。中高在学当時はその横を通りすぎるだけであまりかかわりのなかった小学校でしたが、着任して2か月がたとうとしているいま、同じ校地にある小学校と中学校高等学校には同じ歴史が流れており、同じ空気の中にあるという思いを強くしています。関東学院小学校創立60周年の記念すべき年に、また校舎建築がスタートするたいせつな時期に重責を担うことになり、責任の大きさを実感しています。名取俊夫前校長が導いてこられた関東学院小学校をさらに発展させるべく、力をつくしてまいります。 中高卒業後、教員免許を得てから20年間、鎌倉市内の公立小学校につとめていました。そのころ自戒としていたことばのひとつに「進みつつある教師のみ、人を教える権利あり」という警句があります。「子どもたちに教える立場にある教師こそ、学びつづけなければならない」と解し、これをよりどころとし、授業について、学級経営について研鑽を積み、教師修業をつづけてきました。読書や作文の指導にはいささかの経験と実績もあります。もとより学校を運営し経営することとは異なるものではありますが、常に学び、常に前進することをみずからに課し、与えられたつとめを全うしたいと考えています。 ところで、就任してからこれまで、「岡崎、ひさしぶり」「わたしも関東なんです」「弟さんと同じ部活でした」何度もこんなことばをかけていただきました。多くの同級生、同窓生が応援してくださっていること、とても心強く思っています。関東学院のつながりの広さ、深さ、そして強さに驚いています。(先日おあずかりした教育実習生は中高同級生のお嬢さんでした!) みなさん、どうぞよろしくお願いいたします。関東学院六浦小学校は、今から63年前、関東学院における初等教育のパイオニアとして設立されました。この歴史と伝統ある学院初等教育の責任ある職を拝命するにあたり、また今日、六浦小学校の置かれている厳しい現状を思う時、まことに身のすくむ思いであります。全ては「主の用なり」との召命観に立ち、畏れつつ、誠実に、託された務めに取り組む所存です。 関東学院六浦小学校は、建学者等の志を受け、歴史を刻みつつ、校訓「人になれ 奉仕せよ」に表される有為な人材を世に輩出する事業を展開しています。教育機関である以上、その第一義的使命は、教科教育の質保証です。この事を疎かにして私学の存立はあり得ません。と同時に、私学にはその歴史を貫き通し、その学校の存在意義を際立たせてきた建学の精神があります。本学院においては、「キリスト教に基づく教育」がそれです。この保持も譲ることはできません。六浦小学校も、社会貢献という見地に立ち、より多くの有用な知識を獲得させるという力(ドゥナミス)と、獲得したその知識を最も価値高く働かせる知恵としての力(エネルゲイア)との両者のバランスこそが、学院教育の根幹であると考えてきたのです。その更なる充実を図りたいと考えます。 六浦小学校の喫緊の課題は、(1)中期目標として掲げる目標値達成に必要なトータルな意味での教育力に、全教職員が十分に参与しうるための意識改革と、それを実現するに不可欠な執行部体制の確立、および児童のための授業の質の向上を求めるための教職員研鑽システムの構築、(2)個々の生徒の学習進度・理解力に応じた学びのシステムの再構築と教育相談機能の強化、(3)本校の教育力への保護者の理解を得、且つ個々の児童の学習意欲を引き出すための適切な成績評価制度の見直し、(4)こども園から大学までが位置する教育環境の強みを生かした教育総合実習の試み、(5)募集戦略の見直しと専従者の確保、等であります。 現在学院は、グランドデザインを策定し、その決意の中、創立150周年を目指して既に歩み出しました。学院各校においても、その志をさらに具体化すべく中期目標、中期計画を策定し、学院の全成員がベクトルを合わせ、目標に向かい協働すべく励んでいます。六浦小学校も、教職員が心を一つにして、この危機的状況を脱却し、設置されたその使命をしっかり果たしてゆきたいと願っております。略歴(2012年4月1日現在)【学歴】1979年3月関東学院高等学校卒業1983年3月横浜国立大学教育学部卒業1985年3月横浜国立大学大学院教育学研究科修了【職歴】1985年4月鎌倉市立小学校教諭(2005年3月まで)2005年4月平和学園小学校教頭(2006年3月まで)2006年4月平和学園小学校校長(2012年3月まで)2012年4月関東学院小学校校長2012年4月学校法人関東学院理事・評議員関東学院小学校 校長関東学院六浦小学校 校長(学院長)岡崎一実森島牧人

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