関東学院学報 No.43
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KANTO GAKUIN NEWS No.43 5A Report on Activities of the Great East Japan Earthquake Relief Volunteer ProjectTo express appreciation for support for the Great East Japan Earthquake Relief Volunteer Project, a meeting was held on October 26 where participants in the project reported their activities. The meeting was attended by members of the Kanto Gakuin University Alumni Association “Sanyoh-kai,” individuals who personally supported the project, and KGU students and faculty members. Reports were mainly made by five students who represented the five different groups of participants. The meeting provided a precious opportunity for project participants to share the significance of the spirit of “Be a man and serve the world” and reaffirm the necessity of the continuation of this project. It was impressive that students lingered together long after the meeting was over.参加者に共通した東北への思い お集まり願ったのは、大学同窓会燦葉会の方々、個人的支援者の皆さん、学生や教職員などです。東北の惨状に胸を痛めていることが、全員の共通項でした。 報告会の始まりは活動の主軸を担った大学宗教主任・松田和憲工学部教授のご挨拶から。現地の方々との出会いと多くの協力の末の実現だったことが分かりました。続いて、中々通じない現地との連絡に忙殺された学生支援室の俵秀雄室長が、大学が災害ボランティア活動を行う際の取り組み方や、本学が選択した活動方針の概略及び諸8月2日から9月9日にかけて宮城県南三陸町で実施した東日本大震災救援ボランティア活動プロジェクトへのご支援を感謝し、10月26日、プロジェクト参加者による報告会を開催しました。東日本大震災 救援ボランティア活動プロジェクト報告会笑顔あり涙ありこの感動を忘れずに次に伝えたい事情を説明。さらに全ての期に同行した学生支援室の鈴木康夫氏による写真を使った活動報告と続きました。 松田教授曰く 「楽観主義者の松田、緻密で慎重派の俵君、そしてブルドーザーのように推進力のある鈴木君、この3人のタッグによって実現に至ったプロジェクトだったと思います。何より驚かされたのは学生達の力です。現地では関東学院の学生達、やるじゃないかと感心させられてばかりでした。」 その学生達による報告がいよいよ始まりました。回を重ねるごとに深まった信頼 第1期を代表して最初に壇上に登場したのは人間環境学部の庭山夕貴さんです。静まり返る会場で活動当時を振り返りながら、落ち着いて第1期の状況を説明しました。 「事前情報では瓦礫処理はないとのことでした。装備を充分にせずに出かけたことが悔やまれます」 第1期は現地の方にも、すでに現地で活動に入っている他のボランティア団体にも遠慮しながらのスタートだったようです。 第2期を代表した工学部佐藤雅俊君も4年生。この期も関東学院の認知度がまだ低い中で、仮設住宅での物品配布や瓦礫処理をしたとのことでした。 「瓦礫の中には生活を示すものが沢山ありました。写真や手紙、その一つひとつに胸を締め付けられました。僕らは思い出を集めている。そう思って心を込めて作業しました」 彼の静かな言葉は集まった方々の胸に届き、涙を誘っていたようです。 掘り起こした写真が実際に笑顔を生み出した経験を語ってくれたのは第3期に参加した文学部3年の本間佳奈絵さんです。 「見つけた写真を地区長さんに見せると、すぐに明るい笑顔が広がりました。自分の力なんて何の役にも立たないと思っていただけに、私の心も晴れ渡った瞬間でした」 第4期の報告者は法学部3年の松本研太君。 「揃いのTシャツを着ているだけで子ども達がかけ寄ってくるなど、関東学院の認知度が高くなっていて、すんなり現地に溶け込めました。子ども達の元気の良さに僕達が逆に励まされたほどです」 第5期の代表、経済学部3年の栗山瑛未さんも関東学院のTシャツの威力を感じたと報告しました。 「第1期から繋いできた襷によって私達が笑顔で迎えられているのだと思いました。この襷を次につないでいきたいと思います」 この言葉は参加者全てに共通した今後への思いだと言えるでしょう。会場に伝わった学生の熱意 各期の報告の後、松田先生と参加者によるパネルディスカッションが行われました。会場からの質問に答える姿からも、学生達の熱心さが伝わってきました。 燦葉会会長・谷田部靖治氏は報告会の感想を次のように語っています。 「学生のみずみずしい感性に感動して、涙が出ました。想像以上に素晴らしい活動をしてきたのですね。若い時にこうした体験をすることは本当に貴重です。これからも燦葉会として、できる限りの支援をしていきたいと強く思いました」 「人になれ 奉仕せよ」の精神。そして継続する力。その2つの意義を全体で共有できた貴重な報告会が終わり、学生達の輪がいつまでも崩れずいたことも印象的でした。報告会の後半は、参加者によるパネルディスカッションを行いました第3期 本間佳奈絵さんによる報告第5期 栗山瑛未さんによる報告

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