関東学院学報 No.43
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4 KANTO GAKUIN NEWS No.43来を示す強い決意表明の舞台となりました。飯田嘉宏理事長が「学院が目指すもの」を表題とした理想と哲学を述べ、大野功一学長が「大学の持続的発展」に向け、厳しい現状を伝えるとともに、変革の意義を唱えました。両氏のスピーチの後、関東学院大学の未来を思い描く人々の耳に、グリークラブOB会「コーラ・オリヴァ」の男声三重唱の美しい歌声が流れていきました。 そして、いよいよサプライズ講演の時間です。すでにゲストが小泉進次郎氏であることが知れ渡り、会場は期待を込めた緊張に支配されていました。六浦小学校から大学まで、成長過程のほとんどを関東学院で過ごした小泉氏。スピーチを始めるとすぐさま、聴衆の心を捉えていきます。「お前関東だろ、俺もだよ」、先輩に話しかけられる瞬間に一切の垣根がなくなる。そんな事例をユーモアたっぷりに紹介し、会場の一体感を生み出します。 講演のタイトルは「被災地に見る─人になれ 奉仕せよ─」。自ら17回被災地を訪れている小泉氏は、メディアで知ることと現実のあまりの違いに言及し、その惨状に心を痛めながらも、現地で前向きに生きる若者達との出会いが救いであったと語られました。 「僕らはこういう小さいことを一生懸命やりますから、小泉さんは国で大きいことをやってください」と、南三陸町で瓦礫処理をする24歳の若者から、逆に励まされたというエピソード。全てを失った女川町の水産加工業の若者の「支援頼りではなく自分達が率先してやる」という決意に、さらに応援を誓ったという出来事。自ら避難所で過ごしながら、ツイッターに集まる心を打つメッセージを休みなくネット上に流し、日本中を勇気づけた大学生には驚愕したといいます。 「高校生ですでに起業したという彼に卒業後の進路を聞けば、大学は卒業するにはもったいない。6年いてもいいかなと思っている、と答えるのです。全く驚かされました。しかし、確かに大学にはそれほどの魅力がある。…皆さん、ご一緒に、関東学院大学を6年いてもいいと思わせるような大学にしようではありませんか」 そして最後にケネディの言葉を引き合いにだし「大学が何をしてくれるかではなく、自分が大学に何ができるかを考えていきたい」と締めくくりました。一時も飽きさせない見事なスピーチを原稿もなしに澱みなく語る姿に、会場のあちこちで感嘆のため息が聞こえたのは言うまでもありません。 誰もが酔いしれたその会場を目覚めさせるかのごとく、舞台には現役学生のチアダンス部Fitsが登場。その若々しいステージに元気をもらって、魅力いっぱいの第三部が終了しました。 万人のパワーを未来に生かそう この後、フォーサイト21の10階に場所を移し、約2時間に渡って繰り広げられたのが「KGU交流パーティ 絆」です。この中で、燦葉会が支援した東日本震災救援ボランティアプロジェクトの報告が、松田和憲工学部教授と経済学部4年の平林広大君、文学部3年の中本美桜さんによって行われました。また寺内タケシ氏によるゲストスピーチやフォークソングクラブのステージなど、多彩なプログラムが繰り広げられる中、旧交を温め合う姿があちこちに見られました。 10万人に達した卒業生パワーをどう活用するべきでしょうか。社会のため、母校のため、暮らしのため。アルコールが程よい潤滑油となって様々なアイデアが生まれたのか、あちこちで楽しげな意見の交換が行われていたようです。 こうして燦葉フェスタは盛会のうちに無事に閉幕。10万人の力の可能性に勇気を得て、参加者達はそれぞれの思いを胸に、かつて通い慣れた道に散っていきました。KIZUNA2010年度卒業生の集い〜絆 Kizuna〜 2010年度は震災の影響で卒業式が中止となりました。ささやかではあるもののその代りになればと、大学と燦葉会との共催で、フェスタの第2部で行われたのが2010年度卒業生の集いです。松田和憲宗教主任の司会と礼拝オルガニスト藤城眞美さんの奏楽によっておごそかに式は始まり、大野功一学長の式辞と谷田部靖治燦葉会会長の祝辞に、卒業生代表として折地紗由里さんが答辞で応えました。 グリークラブOB会コーラ・オリヴァによる校歌斉唱は会場を埋め尽くした同窓生達の唱和を促し、力強い感動が場内に広がりました。 成績優秀者として表彰されたのは工学部物質生命科学科卒の折地紗由里さんです。また全日本ボートセイリング選手権大学対抗戦に優勝し、三連覇を果たした工学部建築学科卒の寒河江聡志さんが、課外活動優秀者として表彰されました。 卒業生の集いはOB会の方々にご自身の卒業時を思い出させたことでしょう。通常の卒業式とは異なり、多くの先輩が見守る中で行われたこの式典が、卒業生達の心に温かい思い出として刻まれることを願ってやみません。KGU Sanyoh Festa 2011In celebration of exceeding 100,000 alumni, the KGU Sanyoh Festa 2011, a joint event of the university and its alumni association “Sanyoh-kai,” was held on the Kanazawa Hakkei Campus on November 3. In the first part of the event, the chair of the former members association of the KGU Yacht Club presented Sanyoh-kai’s project plan and activities. Then, Kanto Gakuin Women’s Junior College Alumni Association’s chair, Ms. Yoshiko Yamaguchi, made a speech. In the second part, all the participants enjoyed a surprise speech made by Mr. Shinjiro Koizimu and the stage performance done by the cheerleading club, FIT. During the second part of the meeting, “the KGU Alumni Meeting ‘Kizuna’” was held where a report regarding the volunteer project to help those affected by the Great East Japan Earthquake and the supportive role the Sanyoh-kai has taken was given. Following the presentation, Mr. Takeshi Terauchi gave a speech and the folk song club performed some songs. 小泉進次郎氏による講演寺内タケシ氏によるゲストスピーチ10

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