関東学院学報 No.42
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KANTO GAKUIN NEWS No.42 5 3月11日に発生した東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県牡鹿郡女川町で、独立行政法人・港湾空港技術研究所と本学の地盤防災工学研究室との共同研究グループによる地盤調査が実施されました。東北大学の津波調査グループから、「津波によって鉄筋コンクリート造のビルが杭ごと抜けるように転倒した原因がわからない」との指摘があり、当該共同研究グループがそのメカニズム解明に取り組むことになりました。 6月20日、21日の2日間にわたり女川町で実施された地盤調査には、本学所有のサウンディング試験機を横浜から運搬、社会環境システム学科規矩大義教授の指揮のもと地盤防災工学研究室の大学院生6名、港湾空港技術研究所の研究官も加わってサウンディング調査と表面波探査を行いました。サウンディング調査はハンマーを一定の高さから自由落下させ、直径36・6㎜のコーンを地中に打ち込み、20㎝貫入した時の打撃回数等から地盤の硬軟を判別します。学生たちは日頃使い慣れた試験機を巧みに操作し、記録と測定を行いました。表面波探査法は、人工的に地震波を起こして、一定間隔の波の伝達速度を測定します。振動は、硬い物質ほど振動は早く伝わり、柔らかい物質ほど遅く伝わるという性質を利用して、地盤の硬軟を明らかにします。地盤調査の目的は、地耐力(地盤が1㎡当りどれだけの重みを支えることがで地盤防災工学研究室と港湾空港技術研究所の共同研究グループによる女川町での地盤調査の模様をNHKスペシャルで紹介Investigation Report工学部社会環境システム学科女川町地盤調査表面波探査法で人工的に衝撃を与える杭ごと抜けるように転倒し、流されたビルンディング調査

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