関東学院学報 No.42
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2 KANTO GAKUIN NEWS No.42No.42CONTENTS東日本大震災支援と関東学院の教育関東学院 学院長 森島牧人関東学院大学生と教職員による東日本大震災災害ボランティアレポート工学部社会環境システム学科女川町地盤調査KGU震災復興研究プロジェクトがスタート関東学院中学校高等学校東北ワークキャンプ関東学院「東日本大震災支援活動」への学院各校の取り組み関東学院の安全対策チャリティコンサート開催すごいぞ、六浦!関東学院各校NEWS第6回 関東学院経営協議会開催報告役員・教職員人事「OliveMap」掲載店舗紹介05 LA MARÉE DE CHAYA ~ラ・マーレ・ド・茶屋~06 本格北インド料理店 あっぷーがる「OliveMap」アクセス方法各校ホームページリニューアル紹介135787-8911121819212222[カバー・ストーリー]南三陸町防災センター前の祈りこの夏休み、関東学院は東北の復興を願い、大学生と教職員による災害救援ボランティアプロジェクトを始動しました。学生たちがまず向かったのは何もかも壊れた宮城県南三陸町です。今や震災の負のシンボルとなった南三陸町防災センター前で、深い祈りを捧げた一行は、この後、決意も新たに支援活動に勤しみました。[Support in the Wake of the Great East Japan Earthquake and Education at Kanto Gakuin]Makito Morishima, Chancellor of Kanto GakuinFollowing the Great East Japan Earthquake, teachers of Kanto Gakuin visited affected areas for a preparatory survey prior to the initiation of our relief activities. During their visit, they met and encouraged many people there. In May, Kanto Gakuin sent another survey group to ensure that the preparation for accepting volunteer students and faculty members during the summer vacation was complete. In order to reduce anxiety and stress during the relief activities, places for the volunteer students to work and say as well as volunteer coordinators had to be secured. It was important to provide the student volunteers with information regarding their environment in the affected areas as well as help them learn about the various relevant issues concerning their volunteer experience and the communities in which they are to volunteer. Adequate funding for this volunteer support activity is also necessary. There were many difficulties in raising the funds to initiate this program. We were very fortunate and blessed to receive a donation from the various Kanto Gakuin alumni associations. I would like to take this opportunity to express my sincere appreciation and gratitude to those who have been and are supporting our service-learning activities. Your further understanding and continued support to help Kanto Gakuin play a leading role in service learning in Japan is very much appreciated. えている。 なぜならば、学院教育の特色は、先の校訓「人になれ 奉仕せよ」に示されるイエス・キリストを土台とした奉仕教育にあるからである。その意図するところは、人間力への啓発過程全体を学院の教育力に組み込み、学校教育の射程距離を伸ばす試みにある。つまり、この学院を巣立つ一人ひとりに、「共生」の力を付与する働きである。そのためには、協働の体験を育み深化させる「道場」が学内にも、また学校をその内に含む人間社会にも必要となる。奉仕教育は「身体性」がテーマだからである。今日、学院がサービスラーニングにこだわる所以である。学院の取り組みと喫緊の課題 さて、今回も早速、東北にネットワークを持つ教員たちが、今後の支援活動のための調査に被災地を訪問、多くの人を励ました。五月には、夏休みより始まる学生・生徒ボランティア受入れ態勢の確認のため、再度調査隊を被災地に派遣した。ボランティアを目指そうとする本学院の学生・生徒・教職員あるいは保護者が安心して支援活動に従事するためには、まずボランティアの現地受け入れ先、および現地活動をより有意義なものへと指揮するボランティアコーディネーターの確保が必要だからである。宿舎環境や目指す被災地の詳細な情報、活動地域のニーズと提供できるメンバー各人のスキルおよびチームとしての総合力をふまえた現地との入念な事前折衝等、実施に向けての準備はどれも欠かすことは出来ない。また、これと並行して、派遣学生・生徒への事前教育(ボランティアセミナー)も重要な課題である。ただ思いだけで行くのではなく、ボランティアするにも、理に適った事前のトレーニング(サービス・ラーニング)が必要なのである。これらが不十分であると、よい結果を期待することが出来ないだけでなく、残念な結果に終わる恐れさえある。 また、ボランティア活動にも経費は必要である。大学を併せ持つ多くの大規模キリスト教学校には常設の学院ボランティアセンターやサービスラーニングセンターがあり、今回のようなケースでは、法人内に立ち上がる緊急時支援対策室と協力して迅速に支援への態勢を整えることが出来ている。しかし本学院には、奉仕教育を担う常設部署が存在しないため、初期活動の資金を含め、対応には大変苦慮した。この種の常設部署の創設は、関東学院の喫緊の最重要課題の一つである。 幸いなことに今回は、関東学院がボランティアを安全に、且つ有意義な形で派遣するために不可欠な初動経費、特に現地への事前調査・事前準備・事前教育等にかかる費用への援助(支援活動のための支援)を、関東学院同窓会から頂くことが出来た。日頃より学院の諸活動、特に関東学院の建学の精神に基づく奉仕教育活動を支援してくださっている方々に深く感謝すると共に、「人になれ 奉仕せよ」を校訓として掲げる関東学院が、奉仕教育におけるわが国のリーダー的存在として歩むことが出来ますように、更なるご理解とご支援を、本紙面を借りお願い申し上げる次第である。

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