関東学院学報 No.40
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18 KANTO GAKUIN NEWS No.40関東学院各校NEWS四年生・一日研修六浦中学校・高等学校学年主任 田中 高生年生の学年行事として、「一日研修」が五月十四日(金)に行われました。この行事は、他の学年が校外学習へ出ている期間に毎年行われています。高校生活を始めるにあたり社会の様々な分野で活躍している方々からお話を伺い、話し合いの機会を持ち、現在の自分の生活を振り返りながら、「仕事をすること」、「将来」について考えることを目的としています。 午前中は、礼拝堂にて全体講演と全体懇談が行われました。全体講演では、川崎戸手教会主任牧師の孫 裕久氏より「人間になりたい──妖怪人間に学ぶ──」というユニークなテーマでお話をしていただきました。四十年程前にテレビで放映された『妖怪人間ベム』の話を引用し、私たち日本人の経済的な豊かさの陰で他国の人々が犠牲になっていること、何の仕事に就こうかと当たり前のように考えていることが実は非常に恵まれたことであるということをわかりやすくお話ししてくださ四[Mutsuura Junior and Senior High Schools]One-day special session for 1st year high school studentsA one-day special session for the 1st year high school students was held on Friday, May 14. The event’s aim was to provide students with an opportunity to listen to those who are actively involved in society and to think about “work” and their “future”, while reflecting on the current day-to-day life and getting themselves ready for senior high school.In the morning session, Mr. Son Yugu, the Principal Pastor of Kawasaki Tode Church, gave a lecture on a unique theme, followed by a lively discussion with guest lecturers from a variety of fields.In the afternoon, students were divided into small groups. After self-introductions, they had a chance to listen to more detailed stories from their group’s lecturer. The subsequent “Questions and Answers” session enabled the students to further deepen their understanding. At the end of the event, they gathered together in the chapel again where they were given the last message of the day.いました。一日研修を始めるにあたり、生徒だけでなく、私たち教員にとっても大変示唆に富むお話でした。 その後の全体懇談には、池田等氏(博物館館長)、大角奈緒子氏(管理栄養士)、奥野泰孝氏(トータルライフコンサルタント)、川合宏一氏(税理士)、小西毅氏(ストアリーダー)、鈴田礼那氏(メイクアップアーティスト)、高桑大二朗氏(プロサッカーコーチ)、千頭和文子氏(幼稚園教諭)、松野智義仁氏(ソーシャルベンチャー)、三浦由季子氏(研修講師)といった多彩な分野で働いていらっしゃる講師の皆様をお招きし、「仕事」や「夢」、「働く」ということについて活発な意見交換を行いました。 「高校時代にすでに将来どんな職業に就くかを決めていましたか?」という生徒からの質問に対して、多くの講師の方が、「明確に決めることが出来なかった」、「好きなことに熱中していた」と答えておられ、生徒たちは現在の自分と同じだと感じて安心したようです。また、講師の方の自信に満ちた、仕事について誇りを持っている姿に接し、将来は講師の方々のように満足感の得られる仕事に就きたいと感じた生徒も多数見受けられました。普段接している教員以外の社会で活躍されている講師の方々との交流によって、授業では得ることの出来ない刺激を受ける良い機会となりました。 午後は少人数のグループごとに分かれ、講師の方を囲み、生徒たちの自己紹介、全体懇談よりさらに詳しいお話を伺い、質疑応答の時間を持つことで、さらに考えを深めることが出来ました。華やかに見える仕事の裏にある苦労や次々に襲ってくる仕事上の困難を乗り切るための秘訣など、それぞれの講師の方の個性が発揮された時間となりました。生徒たちも「楽な仕事はない」と強く感じていたようです。 グループ懇談の後、再度礼拝堂に集合し、最後のメッセージをいただきました。これまでの研修のまとめとなるお話を伺い、生徒によって共感したり、感動する部分は異なっていましたが、静かに聞き入っていました。 最後にクラスに戻り、各自感想文を書きました。午前・午後と慣れないプログラムでしたが疲れた様子も見せず、集中して机に向かっておりました。講演者や講師の方々への感謝の気持ちが伝わってくる作文も多く見られ、生徒たちの受けた影響の大きさを感じました。 なお、二学期には校外での研修を計画しています。実地研修を行うことで、自分により合う仕事のイメージを抱く機会になればと考えています。 一日研修においてお力添えをいただいた講演者、また講師の方々に深く感謝申し上げます。

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