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学院長メッセージ 『新型コロナウイルス禍における連帯への呼びかけ』

 この度、新型コロナウイルスによって、有形無形の影響を受けたすべての方々に対して、心からお見舞いを申し上げます。また、命を亡くされた方々、及び、遺族の方々の上に、神からの慰めと平安をお祈りいたします。  新型コロナウイルス感染症が世界中に拡がり、数多くの死者が発生し、今尚猛威を振っていることなど、果たして二ヶ月前に、誰が予測したことでしょうか。日本においても緊急事態宣言が発令されても、いまだ先の見えない状況が続き、多くの人々は不安と困惑の日々を過ごしています。そうした中、関東学院学院長として、学院に連なるすべての方々に、忍耐の時を共有し、共に連帯していきたいとの願いを込めて、このメッセージを発信させていただくことに致しました。

 まず、学院のこども園、小学校、中学高等学校、大学にそれぞれ入園・入学された皆さん、及び、保護者の方々に対して、お慶びと歓迎の意を表したいと思います。一連の事情で変則的な形で皆さんをお迎えすることになりましたが、喜んでお迎えする気持ちには変わりはなく一時でも早い収束を願うばかりです。

 世界の歴史を振り返るとき、人類はパンデミック(世界的流行病)を何回も経験しました。中でも14世紀にアジアからヨーロッパで起こった黒死病(ペスト)はヨーロッパ全人口の3分の1以上を死に追い遣ったことが記録されています。このペストの流行はドイツにも及び、時の諸侯フリードリッヒが住民に対して避難するよう命じた際に、あの宗教改革者ルターがそれを拒否し、その理由付けのために書いた「公開書簡」が残されております。ある宗教改革研究者は、この手紙の内容を分かり易く、次の3点にまとめています。それは、(1)困難な時こそ神の召しに忠実であれ、(2)不必要なリスクを避けよ、(3)人々への配慮を忘れるな、ということです。

 ここで、それら3点について少し考えてみましょう。  (1)については、神から与えられた使命を忠実に果たせということです。現在の状況と重ねて言うならば、命の危険に晒されながらも使命を果たすために日夜労しておられる人々(特に医療従事者、保育士、介護福祉士など)に敬意を表わし、その働きがスムーズに遂行されるよう協力を惜しまないこと、また、教育や行政に携わっている人々は、喫緊の問題と向き合い、逃げ腰にならずに、保身に走らず、自らの職務に忠実であることが求められていること、また、生徒・学生の皆さんは、制約された状況の中にあっても、学ぶこと、自らの成長のために努力すること等が挙げられましょう。  (2)の論点を現実にあてはめてみると、不要不急の外出、「3密」を避けること、また、恐怖のあまりパニックに陥らずに、冷静かつ正しく対処すること等が語られていると思います。  (3)の事柄について、まず大切なのは「命への配慮を怠らないこと」、その点では、「何人の死亡者」という毎日の報道に対して心を麻痺させるのではなく、一人ひとりの掛け替えのない命が奪い去られようとしていることを心に留め、また、今回のウイルス禍によって仕事を失い、住む場所さえ脅かされている人々がいることに思いを向けることなどが挙げられると思います。それゆえ、日々出会う隣人への心遣いと思いやりを持つことが大切ですが、そのためにも自分自身の心身の健康に心を配ることを忘れずに「自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ(レビ記19:18)」との言葉に耳を傾けたいと願っています。

 以上、現時点で考えたことを率直に述べさせて頂きました。現在の状況はもうしばらく続くと思われますが、そう遠くない将来、必ずや収束のときを迎えることができると信じています。

 どうか皆さん、一日一日を大切にしながら、出会う人々と平和にお過ごしください。 共に耐え忍びつつ手を携えて、この試練の時を乗り切って参りたいと願っています。

 お一人お一人の上に、神の豊かな支えと守りがありますよう心からお祈りいたします。

2020年4月17日
関東学院 学院長 松田 和憲

投稿日時:2020-4-17 11:30:00